こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回は光文社文庫から販売されている、三浦しをん『舟を編む』を紹介させていただきます。

僕が今作を知ったのはアニメなんですけど、『ノイタミナでこういうのやってるんだ』っていう認識だけで、観てはいなかったんですよね。

今回なんでこの本を手にしたのかと言うと、『アニメ化、映画化、どれほど面白い話なのかな』という好奇心から選んだ一冊になります。

読んでからわかったのですが、今作は群像劇なんですよね。
一人一人に焦点を当てて、登場人物全てが主人公のような描き方をする手法です。

僕は群像劇が大好きなので、かなり感情移入しながら読み進めることができました。

作中時間で十年以上経過するっていうのも、熱い展開ですね。

あらすじ

出版社の営業部門・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!

三浦しをん 舟を編む 光文社文庫 裏表紙より

あらすじにあるように、この物語は辞書を作る人々の物語になります。
読んでいただくとわかるのですが、辞書作りとは言葉を印刷するだけじゃないんです。

使われる言葉と使われない言葉の取捨選択、辞書に必要不可欠な薄くてなめらかな紙の開発、使われる時には抜かれてしまう箱のデザイン――。
数え切れないほどの苦労と情熱が込められています。

一冊の辞書を作るのに十年以上かかった熱気溢れる物語になります。

冒頭

荒木公平の人生は――人生というのがおおげさであるならば社会人生は――、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない。
荒木は幼いころから言葉に興味があった。
たとえば、犬。そこにいるのに、いぬ。はは、おかしい。いまだったら女性社員から、「荒木さん、オヤジギャグやめていただけますか」と言われてしまいそうなことを、子どものくせに思いついては愉快な気持ちになっていた。

三浦しをん 舟を編む 光文社文庫 p.5より

冒頭からこの作品の魅力でもある『言葉の意味』が炸裂します。

僕たちが普段使う言葉も注意深く観察すると面白いものです。
例えば数字の数え方。

いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう。
では、逆から。
じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ご、よん、さん、に、いち。

下から数えるのと、上から数えるのでは、4と7の呼び方が違うんですよね。
まあ、数字の話は物語に全く関係ないですが、このように言葉を軸に人間模様を楽しむ作品です。

どんな人にオススメ?

  • 言葉が好き
  • 群像劇が好き
  • 舟を編むの映画を観て原作に興味がある
  • 舟を編むのアニメを観て原作に興味がある
  • 読みやすく心に響く作品なので、小説を読み始めた中高生の方
  • 人間模様を描いた作品が読みたい

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は347ページになります。

僕の感想

読み終える前……、半分ほど読んだところでしょうか。
率直に『読んで良かった』と思いました。

登場人物一人一人にしっかりとドラマがあり、細かい思考や感情を描ききれていたと思います。

最初の主人公は辞書作りの部署に配属された新人みたいなものでしたが、時が過ぎれば部署の責任者になっており、そうすると人事異動でいなくなった人や新人が来たりして、社会の波を感じることができます

辞書作りの物語というよりは、辞書作りの人生を読んでいるような物語になります。
各々の人生は山あり谷ありなのです。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

三浦しをん 光文社 2015年03月12日
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