こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回は角川文庫から販売されている、米澤穂信『ふたりの距離の概算』を紹介させていただきます。

今作は『古典部シリーズ』の第五弾になります。
ここからはアニメ化になっていないのですが、ここまで読み続けた人なら間違いなく楽しめます。

巻数が増えると作中の時間も自然と進むようで、なんと奉太郎たちは進級して高校二年生になりました。
そして、ついに福部里志と井原摩耶花が交際を始めるのです。
正式な付き合った日はわかりませんが、一年生の春休み頃だと予想できます。

付き合ったからと言って二人の距離感や奉太郎たちの扱いが変わるわけではないですが、『いつ付き合うんだよ!』とやきもきしていた我々読者は一安心できたかと思います。

今作を読み終えたその日、僕は安心して眠ることができました。

あらすじ

春を迎え高校2年生になった奉太郎たちの〈古典部〉に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得ができない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない――。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!

米澤穂信 ふたりの距離の概算 角川文庫 裏表紙より

千反田の為に奉太郎が一肌も二肌も脱ぐ物語になります。

具体的には『過去の出来事を回想しながら、その時起きた謎を解いていく連作短編』になります。
現在から四十二日前の新入生勧誘週間の話や、十三日前の話など、その時の大日向を含めた古典部全員とのやりとりを回想で触れて、大日向と過ごした出来事から一つの真実を見つけ出すストーリー展開となっています。

冒頭

雨は降らなかった。あれほど祈ったのに。
去年もやはり祈りは通じなかった。つまり雨を祈るのは無駄なことなのだ。そうとわかったので、来年は従容としてこの時を待つことになるだろう。

米澤穂信 ふたりの距離の概算 角川文庫 p.5より

やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。
古典部シリーズの主人公・折木奉太郎らしい一文で物語は始まります。

この後で、マラソン大会には『星ヶ谷杯』という正式名称がある、というどうでもいい情報などを出しながら、奉太郎が席を置く二年A組は走り出します。

どんな人にオススメ?

  • 日常・青春ミステリーが好き
  • 古典部シリーズが好き
  • アニメ『氷菓』を観て、その先の物語を知りたい
  • 学園物で読みやすい作品なので、小説に慣れていない中高生

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は284ページになります。

僕の感想

まず最初に思ったのは、『福部と摩耶花が付き合ったのか』でした。
この二人は付き合わずに物語が進むと思っていたので、個人的には少し意外でした。
そして、自分のモットーを崩してまで千反田の為に動く奉太郎はカッコ良かったです。

マラソン大会中に推理をしながら遙か後ろにいる摩耶花や千反田に質問をしていくというのは、構成的にもマラソン的にも疲れを感じさせない面白い展開だったと思います。

最終的に大日向は入部しないわけですが、個人的にはそれで良かったと思います。
折木奉太郎、千反田える、福部里志、井原摩耶花の四人で古典部シリーズだと思っているので、今さら誰か増えるとそのバランスが崩れてしまいます。
僕はこの四人の古典部を見ていきたいですね。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

米澤穂信 角川書店 2012年06月
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