こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回はメディアワークス文庫から販売されている、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』を紹介させていただきます。

今作は実写映画になったりテレビドラマとして放送していた『ビブリア古書堂の事件手帖』の原作となります。

タイトルに『古書』と入るだけあり、事件に纏わる物は必ず古書になります。
『古い本に価値はないだろ』と思ったあなた、それは間違いです。
今回収録されている作品に太宰治の『晩年』という作品を扱う物語があるのですが、その『晩年』の値段は300万円以上とのことです。

まあ、初版だったりアンカットだったりと、価値を底上げする条件が揃えばそのような値段になるようです。
僕は古書には興味ないのでよくわかりませんが。

あらすじ

鎌倉の片隅でひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
 だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。

三上延 ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ メディアワークス文庫 裏表紙より

主人公の五浦大輔はひょんな事からビブリア古書堂に行き、ヒロインで探偵役の篠川栞子と出会います。
そこから古書に纏わる事件に巻き込まれていきます。

この五浦大輔は本など、『活字の文章が読めない』という体質を持っています。
祖母の影響でこのような体質になってしまったので、後天的なトラウマのようなものだとは思うのですが、これでは本が読めません。
しかし、物語は好きなので悩ましいことです。
これに対して、篠川栞子は本について誰彼構わず話してしまうほどの『本の虫』なのです。

こんな二人が出会ったのは運命を感じてしまいますね。

そんなことで、五浦大輔は篠川栞子の『本の話』を聞きながら、ビブリア古書堂で働くことになりました。

本書は連作短編なので、今回も収録作品をリストアップしますね。

  • 第一話 夏目漱石『漱石全集・新書』(岩波書店)
  • 第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
  • 第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
  • 第四話 太宰治『晩年』(砂小屋書房)

この四作が収録されています。

このシリーズの主要人物はここで大体出揃います。
狭い業界と地元地域を軸にした話なので、人物が多くないのも魅力的ですね。

冒頭

六年前のその日、北鎌倉の坂を下りきった俺は、線路沿いの細い路地をだらだら歩いていた。
半袖の白いシャツの背中が汗でぴったり貼りついている。セミの声がうんざりするほど近い。あちこちに植えられた紫陽花はまだ散っていないのに、梅雨明けと同時に夏が始まっていた。

三上延 ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ メディアワークス文庫 p.5より

六年前の五浦大輔の話から始まります。

この後、五浦大輔はビブリア古書堂の前を通り過ぎ、篠川栞子を見かけます。
篠川栞子は最後まで気付かなかったので、五浦大輔が『戻って声をかけようか』などと考えます。

結局は声をかけませんし、まずは出会いの物語からと言ってプロローグは終わります。

どんな人にオススメ?

  • 映画『ビブリア古書堂の事件手帖』を観た
  • ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』を観た
  • 古書に興味がある
  • 日常・青春ミステリーが好き
  • 登場人物的にもストーリー的にも読みやすいので、小説を読み始めた中高生

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は304ページになります。

僕の感想

この作品は実写映画にもなったので、ずっと気になっていたんですよね。

それで読んでみたのですが、『古書に人生かけるってすげーな』って思いました。
まだ読んでいない人はなんのこっちゃって話ですが、ヤベー奴が出てくるんですよ。
古書マニアっていうのがいて、そいつが『晩年』を狙っているんです。

古書に興味がなくても、『300万円以上の価値がある本』って聞けば、誰でも欲しくなりますよね。

んで、大事な内容ですが、正直古書に対する接し方とか、古書を扱う情熱とか、作者の気合いを感じる一冊でした。
謎の作り方も『この古書じゃないと成立しない』という作り方なので、上手い作り方だと思います。

作者は難しい題材で苦労したようですが、その甲斐もあり、古書ミステリーとして高い完成度になりました。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

三上 延/越島 はぐ KADOKAWA 2016年08月04日
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