こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回は講談社文庫から販売されている、京極夏彦『姑獲鳥の夏』を紹介させていただきます。

今作は『百鬼夜行シリーズ』の第一弾で、京極夏彦のデビュー作でもあります。
そして、なんと実写映画にもなった作品でもあります。

京極夏彦といえば、分厚い文庫本として有名ですよね。
本屋さんで見かけると、京極夏彦のところだけ本が分厚いんですよ。

あれは軽く鈍器の域に達しています。

なぜこれほど分厚いのかというと、京極夏彦自身が文章を編集しているからなのです。
読点や句点が必ずページの最後に来るように配置し、文章がページを跨がないという拘りがあるのです。

そのせいで、あの分厚い文庫本ができあがります。
そのおかげで、読みやすい文章になっています。

あらすじ

久遠寺医院の娘は二十ヶ月の間、身籠もったままという。その夫は密室から消え、行方が知れない。古本屋にして陰陽師の京極堂が、医院で頻発する怪事件を紐解き、ついに名家の呪いに迫る――。意識とは、心とは何か。「不思議」を生み出すのは脳に過ぎないのか。

京極夏彦 姑獲鳥の夏 講談社文庫 裏表紙より

探偵役の京極堂こと中禅寺秋彦は陰陽師です。
しかし、「この世には不思議なことなど何もない」と言います。

オカルト系の仕事をこなすのに、考え方は論理的なんですよね。
しかも、論理の方向性がちょっと違う探偵です。

今作の主人公は関口巽という小説家です。
この小説家が久遠寺医院の噂を聞いて物語へと発展していきます。

冒頭

どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている坂道を登り詰めたところが、目指す京極堂である。
梅雨も明けようかという夏の陽射しは、あまり清清しいとはいい難い。

京極夏彦 姑獲鳥の夏 講談社文庫 p.12より

関口が京極堂を訪れたところから物語は始まります。

時代設定が第二次世界大戦中や戦後で、現代を思い浮かべながら読むと違和感が生まれます。

古臭い昭和初期を思い浮かべながら読むといいでしょう。

どんな人にオススメ?

  • 妖怪が好き
  • 戦後の時代に興味がある
  • ハウダニットが好き
  • 分厚くて持ち運びが困難なので、家でのんびりと読める方

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は621ページありますが、句点でページの終わりにするという拘りのせいで分厚いだけで、内容的には500ページ前後になるかと思います。

僕の感想

本屋さんで見かける度に、あまりの分厚さで逃げていたのですが、『このまま逃げ続けるわけにはいかない』と勇気を持って買ってみました。

京極堂の考え方が他の探偵にはないもので、正直買って良かったと思いました。

京極堂が『幽霊や宗教は人間の為にある』みたいなことを言うのですが、確かに人間が勝手に作ったもので、存在しないものなんですよね。
この考え方がとても気に入りました。

また、このシリーズのタイトルには妖怪の名前が入るのですが、作品の中でもその妖怪について紹介しており、妖怪小説としても面白いと思います。

分厚いですが、京極夏彦の拘りは面白いですし、この本を読み切れば『600ページを読み切った』という自信が生まれて、大抵の文庫本には物怖じしなくなると思います。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

京極夏彦 講談社 1998年09月15日
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