こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回は講談社文庫から販売されている、森博嗣『すべてがFになる』を紹介させていただきます。

今作はドラマやアニメ、果ては漫画化などになっているので知っている人も多いのではないでしょうか。

そんな今作はS&Mシリーズの第一巻で森博嗣のデビュー作なのですが、実はシリーズ第四作目として構想していたようです。
しかし、『デビュー作は派手な方が良い』という編集の考えで『すべてがFになる』が第一弾として本になったのです。

あらすじ

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と学生・西之園萌絵が、この不思議な密室殺人に挑む。

森博嗣 すべてがFになる 講談社文庫 裏表紙より

犀川創平とその研究室のメンバーはゼミ旅行で毎年どこかへ行くのですが、「先生、今年は妃真加島に行きましょう」という西之園萌絵の一声で孤島に行くことになります。
その孤島にはハイテク研究所があり、犀川を含めて世界中の研究者の憧れの存在、天才工学博士・真賀田四季がいます。

犀川は研究所に入れるとは思っていなかったのですが、西之園が裏でアポイントを取っており、二人は研究所に見学に行きます。

そこを見学している最中に事件が起こります。

真賀田四季がいる部屋は完全な密室で外から監視されており、真賀田四季が中から開けることもできません。
しかし、その場に現れた医師は遺体を診て殺人と断定します。

犯人はどうやって犯行を犯し姿を消したのでしょうか――。

冒頭

今年は夏。彼女はそれを思い出す。
無表情なコンクリートで囲まれた部屋には、季節の気配が届かなかった。建物のどこにも、外界を覗き見る窓はない。

森博嗣 すべてがFになる 講談社文庫 p.9より

西之園萌絵が真賀田四季と面会をする場面から始まります。

西之園萌絵は窓のないコンクリートで囲まれた部屋で、ディスプレイ越しに真賀田四季と話をします。
真賀田四季は部屋から出てこないのです。

この後、犀川と西之園の会話に場面が切り替わり、前述した展開になります。

どんな人にオススメ?

  • アニメ『すべてがFになる』を観た
  • ドラマ『すべてがFになる』を観た
  • サイエンスミステリーが好き
  • 科学が好き
  • 読みやすいのですが少し分厚い文庫本なので、高校生以上の人

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は508ページになります。

僕の感想

僕がこの作品に初めて触れたのはアニメからです。
アニメを観て『お、原作小説じゃん。執筆の勉強になるかな』という気持ちで読み始めました。

結果としては勉強にはなりませんし、お手本にもなりませんでした。
何故かというと、

ミステリー小説としてのレベルが高すぎる!

この一点ですね。

漫画でもアニメでも小説でも『天才VS天才』という話はごまんとあるわけですが、僕が唯一『天才VS天才』として見ているのは、このS&Mシリーズだけです。

真賀田四季が使ったトリックや行動も天才のそれですが、それを解く犀川も凡人ではなく天才の域なんですよね。
犀川は発想力が常人とは違うのです。

作中で『現実とは何か』という問いがあるのですが、犀川の答えは『現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ』と答えます。

他にも、『日本は液体社会で、欧米は固体社会』……、日本人は周りと同化して混ざることを好みます。
これは、子供が『まーぜーて!』と遊び始めるところからも理解できるでしょう。

それに対して、欧米は個性を生かし、仲間に『入れてもらう』という社会を築いています。
一人一人が個体として確立された意識を持っているのです。

S&Mシリーズでは、このような発想力の花がたくさん咲いているので、ミステリー以外でも楽しめますよ。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

森博嗣 講談社 1998年12月15日
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