こんばんは、そうでない人はこんにちは、TATEです。
今回は新潮文庫から販売されている、道尾秀介『向日葵の咲かない夏』を紹介させていただきます。

今作は小学生が主人公のミステリー小説となっています。
少年探偵団のような感じではなく、ガチガチの本格ミステリーです。 

小学生が謎を追いかけるのは普通ですが、今作には普通ではないものがあります。
なんと、死んだ同級生が蜘蛛に生まれ変わり『僕は殺された』と訴えてくるのです。

何故蜘蛛が喋れるのかは謎のままですが、言動から同級生が蜘蛛に生まれ変わったのは間違いないのです。

同級生の言葉を聞いて、主人公は同級生の死の謎を追いかけます。

あらすじ

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

道尾秀介 向日葵の咲かない夏 新潮文庫 裏表紙より

ここで一言。

最悪な夏休みですね。

この作品はとにかく暗いです。
最初から最後まで曇天の部屋にいるような感じです。

冒頭

油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。
雨音を聞いて、雨滴のそれぞれが地面に接している瞬間を想像する人がいないように。

道尾秀介 向日葵の咲かない夏 新潮文庫 p.5より

大人になった主人公が事件後を語るシーンから始まります。

このシーンは何気に大事なので、しっかり覚えておくか、読了後に読み返してみると良いと思います。

『あ、そういうことだったのか』となると思います。
少なくとも、僕はなりました。

どんな人にオススメ?

  • 変わったミステリー小説が読みたい
  • 叙述トリックが好き
  • イヤミスが好き
  • 小学生が主人公のミステリー小説が読みたい
  • 本格的なミステリー小説なので、高校生以上の方

そんなあなたにオススメです。

ちなみに、本編は462ページになります。

僕の感想

この小説を読んだ頃の僕は、とても心が狭く『常識的に有り得ないミステリーは認めない』という頑固者でした。

なので本格的ミステリーばかりを読んでいたんですよね。

そんな僕の当時の第一感想は『死んだ人間が蜘蛛になって生き返るとか意味わからん』でした。

いやー、視野が狭いですね。

そんな僕でしたが、今の感想は『叙述トリックと設定を使い切ったハイレベルの作品』です。

最初から伏線が出ていますが、初見で見破ることは難しいでしょう。
『意味がわからん』とか思いながら読み飛ばしてしまうレベルの伏線です。

そして、この『生まれ変わる』という設定を使い切ったというのが、今作の凄い点だと思います。
自分の目に映る物は信用しない方が良いです。

というわけで、そろそろ今回の紹介を終わりたいと思います。

道尾秀介 新潮社 2008年08月
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